次の日、ベリルは子どもたちの剣の訓練に立ち会った。

 それを地面に座り込んで眺めているレインとヴァラオム。

 一通りの訓練を終え、一息つく。

[久しぶりにお前の剣舞が見たい]

 ヴァラオムが水を飲んでいるベリルにそう言うと、仕方ないなと笑って少し離れた処に立った。

「お、剣舞か? みんなよく見てろよ~」

 セシエルが子どもたちに促す。

「……」

 目を閉じて緩やかな風を感じるベリル。ゆっくりと剣を構えた。

 その流れるような動きは、息を呑むほどに優美でそれでいて鋭い。

[ほう……また上達したな]

 感心するヴァラオムの横で、セシエルは肩を落とした。

「うわ、もう追いつかないよこりゃ」

 そう言ったセシエルに、レインは怪訝な表情を浮かべる。