「じゃあ、ずっとここにいてもいいんだな?」

「お前の好きにしろ」
「ここに住んでもいいんだな!?」

 レインは声を張り上げる。

「……」

 ベリルはそれに小さく溜息をついた。立ち上がり、レインの前に……

「ここにいて気の流れを学べ。そうすれば、外に出ても制御が容易になる」

 右手でぐいと引き寄せる。

「投げた訳ではない。すまなかった」
「……っ」

 レインは唇を噛みしめた。

「べっ別にそんなつもりで言ったんじゃない!」

 走って部屋から出て行く。

「相変わらず素直じゃない」

 薄く笑って、再び暖炉の前にしゃがみ込む。

 寝室のドアを閉めるレイン。

「……」

 ドアにもたれかかり、そのままズルズルとへたり込んだ。