ジプシーや商人の旅団やらと出会い、護衛に雇われながら集落を目指す。

 未だに、少なくはあるが狙われる事もあるベリルだが難なくこなしていった。

 そうして、集落の門が見えてくる。

 子どもたちの明るい笑い声。変わりない雰囲気に、やはりほっとする。

 まず見つけるのは監視塔にいる今日の監視当番。

 いつものように、のんびり馬に揺られながら近づいてくるベリルにニヤリと笑う。

 門の手前で、監視当番に軽く手を挙げて挨拶。

 門に入ると、いっそう子どものはしゃぐ声と走り回る子どもたち。

「!」

 おや? 1人、見慣れない子どもがいる。遠目からだが年の頃は10歳ほどのようだが……

 他の子どもに引っ張られるようにして、面倒そうな態度で歩いている少年。

「……」
「……」

 ベリルと目が合い、しばらく沈黙。

「何故こ……」

“ダダダダ!”

 ベリルが言い切らずに少年は駆けていった。