ヴァラオムはニヤリとして口を開いた。

[ベリルは女に見えるのか?]
「え。どうしてですか?」
「……何の質問だ」
「男だろ」

[いや何、彼はよく男からも好かれるようなのでね]

「余計な事は言うな」
「オレにも見えません」

 グレードの言葉に、バジルとヴァラオムは驚いた顔をした。

「すいません……ベリルさんの体はオレにも見えないんです」

 癒しの民のアイボリー・アイは、体の内部も見通す事が出来る。

 これは限られた者しか知らない癒しの民の能力である。

「ベリルさんの体は普通ではないので」
「気にするな」

 ベリルは柔らかな笑顔を向けた。そしてヴァラオムをギロリと睨んでその頭をこづいた。

[あいて……悪かったよ]

「でも、ベリルさんの性別については推測ですが解ります」