しばらくしてベリルとヴァラオムはテイシンの家を出て、王宮のヒーラーハウスへ向かった。

「ベリルさん! お久しぶりです」

 ヴァラオムの姿に多少、驚いたようだが懐かしい相手に話も自然と弾む。

 栗色の髪とアイボリーの瞳。かつての討伐隊であるグレード・エルニーグ。17歳という若さだが、その能力は類い希だ。

 その横には、同じ癒しの民であるバジル。やや茶色がかった金髪に陽気な性格。

 アイボリーの瞳は癒しの民の特徴である。

「! 少し大きくなったか?」

 ベリルがグレードの頭部を見て言った。それに苦笑いで返す。

 ベリルよりも低かった背が、少し追いついてきている。

「! ……」
「ん?」

 グレードはベリルを見て、少し怪訝な表情を浮かべた。

 以前の時より……また少し変わっている。

[グレード]
「なんですか?」