「ここ」
愁が立ち止まったのは…
ビルの前
高い…
ガラス張りのそのビルは高級感が漂っている
上を見上げていくと後ろに倒れそうなくらい…
―ウィーン
当たり前のように自動ドアが開く
よく考えればこの自然あふれる島には相応しくない建物な気がする、
そんなコトを考えていると一人のベルボーイさんがこちらに気付き血相を変えてこちらに向かってくる
「これはっ…愁様、和様、彩莉さま、お待ちしておりました」
「久しぶり、小山」
「お元気で何よりです、お部屋にご案内させていただきます、お荷物よろしいでしょうか、」
「うん、彩莉、荷物かして、」
愁は私の手から旅行用のゴロがついた鞄をとると小山さんの引いていたワゴンに乗せた



