「寒い」 ボソッとそう呟いたアタシだけれどなぜか嬉しくて。 自分がよく分からなくなった瞬間だった。 来年、また詰まらないまま年が来ると思ってたけどなんだか来年が楽しみになってきた。 さっきの人のせい? 名前も知らないのに。 まあいいや… アタシは黒いマフラーに顔を沈めるとさっそく明日にでも自販機へ行こうかな、と思った。 【完】