そんなこと…


「そ、そんな…こと、わかってる……っ!」


気が付いたらわたしの頬に、何か冷たいものが流れていた。

そうだよ…。分かってる。

わかってるよぉ…!!!



わたしは、可愛くもないし頭もよくない。
かといって、運動神経がいいわけでもない。

それでも…!!!


「……ック

孝太の…っ…ばかっ!!!」


ダッ


気がつくとわたしは、泣きながら走り出していた。


「え…

おい!遥加!!」



背中に孝太の声が聞こえるが、止まる気は全くない。

どころか、スピードはどんどん加速していく。



サイテー!!

サイテーサイテーサイテーサイテー!!!




そのスピードも、最高にまで達したかと思われるときだった。