「あ~背中いてー!」

!!

教室の扉を開けたその先にいたのは、さっきまでケンカしていたアイツだった。

「こ、孝太!!」


孝太はわたしに対する当て付けのように背中を擦りながら、そんなことを叫びつつ教室に入ってきた。

「あ~、どっかの誰かさんが思いっきし叩いたせいで、背中がヒリヒリして痛ぇなぁ!」

一度わたしの方を見てから、わざとらしく言う。


なっ…!

「それは、孝太が先に変なこと言うからでしょ!?」

わたしは慌てて反論する。

「別に俺はお前のせいだなんて一言もいってませーん!」

対する孝太はそういいながら、あっかんべーをしてくる。


むっ、むかつく…!!

ぜーったい、わたしの事だ!!



「あっ、あと中崎さん…だっけ?」

クラスメートの名前ぐらい覚えておきなよ!!


確認するように言う孝太に、つい心の中で突っ込んでしまう。


「はい?」


「アイツのことでこいつに何言っても無駄っすよー。」

はぁっ!?


そんな孝太の台詞に、わたしたちは驚きを隠せない。