優里に傷跡や禁位の痕跡がある事、それを問い詰める事だけは避けた。 聞きたくなかった訳ではない。むしろ聞きたくて仕方無い。 まるで心臓を切られ、熱い血が滴り落ちるかのような胸を炙られる想いを必死で堪えた。 優里もまた聞かれるのが怖かった。自分の身に起きた事をまだ誰かに話すなんて到底思いつかない。 とにかく、誰に対しても…特に千理に関しては拒否される事は恐怖。 ただ…今は安らぎを求めて、千理に縋った。 痛みを忘れる為では無く、受け止めて貰う為に。