バタンッ──


目を閉じ昔を思い出す俺の思考を、荒々しく開いたドアが遮った。



「やっぱ、ここか‥」



まぁ、声を聞かなくても誰かはわかったけどな‥



「んだよ‥

授業サボってんなよ」


「お前こそ、サボってんなよ」


「女がお前とか言うなよ」


「男女差別はんたーい」



さほど興味なさそうに呟くと、コイツ‥

平野優衣(ひらのゆい)は俺の隣に腰を降ろすと、ポケットからタバコを取りだし吸い始めた。