「蓮とろい」
リビングに入ると、エリカが沸かしたコーヒーをカップに注いでいる所だった。
「生徒会長の私が遅刻したら洒落になんないでしょ」
全くぶつぶつと‥
俺はエリカの小言を無視すると、焼かれたパンを口に運んだ。
「あ、‥‥」
パンを食べ終わった頃、エリカが思い出した様に口を開いた。
俺が言葉の先を待つように口を開くと、何枚かの資料を机の上に並べた。
「何、これ。FBIの事でもわかった?」
俺は置かれた資料を目に通しながら、エリカに尋ねた。
「FBIはわかんないけど‥
そいつ、裏の人間よ」
エリカにしては手こずってんな‥
「ふーん‥で?」
裏の人間かぁ‥
「顔はわかんないけど、コードネームはwhim Devil‥
気まぐれな悪魔‥
奴の下で働いてるみたいよ」
「は?‥‥‥‥誰‥それ。てかまじな話?」
「情報屋の情報だから真実かどうかは五分五分ね。てか時間、行かなきゃ」
そこまで言うとエリカは、バックを持って玄関へと歩んだ。
「は?っちょ、エリカ!
っ、くそ!」
何であいつ、あんな自己中心的なんだよ。
そんな事を思いながら、俺もエリカに続いて外に出た。
whim Devil‥
誰なんだ?
盗聴器のせいで、学校までの道でエリカに例の件を話す事は出来ない。
俺はもやもやした気持ちを持ったまま、学校までバイクを走らせた。

