春が来た。
俺にとっちゃ、季節なんてどうでもいいが‥
春には、俺が通っている学園のクラス替えがある。
「またお前と同じクラスかよ‥」
「当たり前でしょ」
言葉の通り、当たり前のように俺の隣にいる女は俺の大事なパートナーだ。
「つか、お前会長の権力使ってんじゃねーよ」
パートナーと言っても、あんまりいいもんじゃないが‥
俺の今の仕事には、欠かさない存在だ。
「あら、何の事かしら?」
そう言ったエリカは、普通の男ならイチコロで落とせるであろう、とぼけた笑みをこちらに向けた。
「それより、放課後。会長室に来てね?」
さっきまでのおどけた態度とは一転、エリカは真剣な“仕事の顔”になった。
俺は、エリカの言葉に頷くとサボるために屋上へと向かった。
後ろから、エリカの怒鳴る声が聞こえた気がしたが‥
気のせいとしよう。