ハッキングの天才、と呼ばれるエリカのハッキングレベルは、もはや“ウィザード級”。
そのエリカが、潜入出来ないんだからな‥
「まぁ、いいや」
困った表情のエリカを安心させるために、微笑んでみる。
「油断禁物だよ‥?」
わかってるよ‥
大丈夫。
エリカだけは、必ず守るさ。
なんて、本人には言えないけど固く、心に誓った。
「で、今日のターゲットは?」
俺は立ち上がると、エリカの机に近寄った。
こんな話、家でも出来るんだ。
それをわざわざ、この場に呼び出した‥と言うことは“仕事”の依頼がきてるのであろう。

