「やっと静かになった」
卒業生も無事送り、みんな帰っていった。
『なあ』
ドアからひょっこり顔が現れた。
「なに?」
『キャッチボール、しねえか?』
「うん」
あたしがマウンドに行き、颯太が座る。
バシッ
バシッ
この感触‥たまらない。
『野球、やめんなよ?』
「当たり前じゃん。大学言っても続けるし。誰かさんと違ってね?」
少し毒舌を言ってみる。
少し苦笑いの颯太。
これから先もあたし達の関係はこんな感じなんだろうな~。
スキだけど、付き合うとかあり得ないし。
夕日を背に
部室前に飾られている
甲子園優勝旗を見ながら
ずっとキャッチボールし続けた。
野球はスキだよ?
でも‥アイツはキライ‥。
でも、大スキ!!!!
END