「そういえば・・・篠原先生がお探しになってましたよ。」
『篠原先生が?』
整った形の良い眉をぐっとひそめる。
「ええ。モテるんですね、玲羅先生?」
上品に“クスッ”っと笑って見せた。
『・・・何故そう思う?』
「学園内では、結構有名ですもの。」
今度は“ふふふ”っと笑って見せた。
うちの両親と知り合いとあらば、控え目で無くては。
まったく面倒だわ・・・
『しきりに結婚の話などしてくるんだが・・・』
玲羅先生は苦笑いしながら答えた。
『俺はまだ26だぞ?何が言いたいのか・・・』
「ストレートな方なんですよ、きっと。それに玲羅先生は教務主任です。」
“この歳では、荷が重い”
・・・と笑いながら教務室へ入って行った。
すぐに中から『玲羅主任、探していましたわ!!』
と、篠原先生の声がした。

