『ごきげんよう、西園寺さん。』
私に“ごきげんよう”を使うのは、女性の先生のみ。
「おはようございます、篠原先生。」
私の担任、篠原恵美(シノハラメグミ)。
学校のアイドル的先生であり、ある先生に想いを寄せているそう。
その先生とは、玲羅秦(レイラシン)。
そう、この玲羅学園の後継者・・・
次期理事長の、現在教務主任である。
『もうすぐ、18歳ですわね。』
「ええ。ですので、明日は欠席いたします。」
私達の生年月日から、自宅住所まで・・・
全てを担任が把握している。
誕生日まで知っているのはそのせい。
『分かったわ。ところで、玲羅主任ご存じ?』
「いいえ、見てませんわ。申し訳ありません。」
『平気よ。じゃぁね。』
「失礼いたします。」

