「もしもし、麻璃愛?」


『うん。珍しいね、頼みごと?』



「・・・うん。今から会える?」


『いいよ。今から行く。』



美崎麻璃愛(ミサキマリア)。


同じ高校3年で、私の親友。


麻璃愛の家は、“MISAKIグローバル”グループ。



海外店舗がたくさんあって、お父様が本店の社長をしている。


麻璃愛のお母様は海外で活躍するプロドレスデザイナー。



“MISAKIグローバル”の主な仕事は、情報提供など。


早く言えば情報屋だけど、その権力は偉大。


テレビ局や雑誌までもが頼りにする。



麻璃愛のお母様にはよく、ドレスやワンピースをデザインして貰ってる。


顔合わせに着ていたワンピースもそのひとつ。



ドアを叩く音がして、ドアを開けた。


『麻璃愛、入って。ありがと、来てくれて。』