寮に帰り、ベッドに倒れこんだ。


無意識に涙が頬を伝う。



私は西園寺家にとって必要無かったんだ。


政略結婚にすら出来ない、私。



玲羅先生が申し出るまで、私には誰もいなかった。


どこも私と婚約する人がいなかったんだって。


玲羅先生がいなかったら、私はどうなったんだろう。



「なんなのよ、もう。私なんか家から出せば良かったじゃない。」


その時、携帯が鳴った。



番号を交換したばかりの玲羅先生から。


「もしもし・・・」



『やっぱり泣いてたか。大丈夫か?』


やっぱりって・・・なんで分かんのよ・・・



「なんで、やっぱりなのよぉ・・・」


『分かるさ。3年も見てたんだぞ?待ってろ、今行くから。』


来ちゃだめでしょ・・・