【短編】スキまでの距離



佐藤くんはいつもより真剣な顔をしてあたしを見ていた。



「結城はさ、


俺のこと苦手なの?」




「どうして、そんなこと……」


思うのって言いたかったけど
言葉が出てこなかった。






「なんかさ、
俺と話すときいつも困った顔してるから。
それに・・・。」


佐藤くんが苛立ちを隠すように一度言葉を切った。
静かな沈黙が流れる。








少しして佐藤くんは



「だから嫌われてるのかなって。」




ってさっきの続きは言わず、

悲しそうに笑って言った。