【短編】スキまでの距離




「やっと結城の笑顔見れた気がする。」


そう言って佐藤くんは優しく笑った。


「えっ?」



「ずっと俺のこと怯えてるかと思ってた。


やっぱり、笑った顔可愛いな。」




そう言って少し赤い顔しながら
あたしの頬を撫でた。










佐藤くんが可愛いって言ってくれた。
それだけで嬉しくて死んじゃうよ。
恥ずかしすぎて佐藤くんが見られない。







「あ、あの!」


佐藤くんの言葉に動揺しながらも、

今なら気持ちが言える気がして顔をあげて
佐藤くんを見た。


「ん?」

さっきの近い距離のまま
あたしの顔を覗き込む。





ど、どうしよう。

呼び止めはしても恥ずかしさと緊張で
続きの言葉が出てこない。


佐藤くんはにこにこしながらあたしの言葉を待つ。






いわなくちゃ。
好きですって。





もう最後だから。
勇気ださなきゃ!!