【短編】スキまでの距離




「はは。
そうだな。なんか忙しかったよ。
結城はこんな時間まで残ってなにしてたんだ?」


「みんなと別れていろいろ思い出してたら
こんな時間になちゃった。」



そう答えると佐藤くんは楽しそうに笑った。



「そっか。
そういえば教室でもずっと泣いてたもんな。」


そういって笑いながら頭を撫でてくれる。
大きな手。
触れられるだけでドキドキしてる。








忙しくても、
あたしのことを見ていてくれた。
そんな小さなことが嬉しくて

気づけば笑っていた。









佐藤くん。


大好きなの。