【短編】スキまでの距離






―カタンッ


教室の扉から音がして振り向いた。






振り向いた先には佐藤くんが立って、
バツが悪そうな顔をして頭をかいていた。





「ごめん。なんか間が悪かったよな。」

困った笑顔をしながらあたしを見た。




思わぬところでの佐藤くんの登場にびっくりして、ぼろぼろこぼれた涙もすっかり止まった。