【短編】スキまでの距離




このままじゃ何も変わらない。

卒業したら大学も違う。

笑ってもらえることも、
大きな手で頭撫でてもらえることも。
みんななくなってしまう。




会うことすらできなくなる。




そう思うと胸が苦しくなった。
考えただけで泣きたくなる。

苦しいよ。








でも、そんなの絶対に嫌だ。


だから今日は気持ち伝えようって。
そう思って今朝は家を出てきた。








それなのに。


朝から佐藤くんは呼び出しの嵐。


あたしと話す時間なんてない。






焦る気持ちとは逆に
式が始まって、教室に戻って先生の話を聞く。

最初は佐藤くんの告白でいっぱいだった頭の中。

先生の話を聞いていたらみんなと最後なんだって
そしたら悲しくて、
麻紀ちゃんと友達と一緒にお別れが辛くて泣いた。



最後に先生や麻紀ちゃん達と写真を撮ったりして楽しい時間を過ごした。








ふと気付くともう佐藤くんは教室にはいなかった。