【短編】スキまでの距離




自分から告白する勇気はないくせに。



佐藤くんに彼女が出来たって。
そんなうわさが出てこないか
びくびくしながら毎日過ごした。




告白したけど振られた。
って話を聞くたびに
ほっとしている自分にため息が出る。



自分には出来ない
勇気を出した人たちの不幸を喜んでる。


なんてあたしは汚いんだろう。










そんな気持ちと、
伝えられないいらだちにゆらゆら揺れていた。











やっぱりなにも出来ないまま。


そのままあたしは卒業式の日を迎えてしまった。