あたしが口を噤むとカナンはまた目を細める。瞳が、だんだんと冷めていく。
「…それは、あいつがドールだからじゃないのか」
「…え、…うそ…」
カナンの声が昨日みたいに低くて冷たい。どうかその声で嘘だっと言って。
彼女がドールだなんて。
「あいつはただ純粋に命令を遂行してるだけかもしれないだろ」
「だって、そんな…」
「別に不思議じゃない。ドールはマスターのもの。そういう使い方もある」
使い方、そう言い放ったカナンの言葉がすごく嫌だった。
「でも、カトリナ家の…娘、なんでしょ?」
難しいことは嫌い。分からない。でも、知りたいことはたくさんある。
「なのにドールなの?ドールはどうやって生まれるの?」
だって、カナンは前にあたしたちの事、造られた生命だって言った。
だけどあたしはどうやって生まれたのか知らない。お父さんだって、本当のお父さんじゃない。
あたしはなにも知らない。
訴えるようにカナンを見つめても、カナンは目を合わさない。
「それは、お前の知らなくていいことだ」
そして、あたしを突き放すの。


