ただ…抱きしめて

勝手にリビングへ入って来る人影。


「おい、待てって…」


優人が呼び止めるのにも構わず、姿を現す。


キッチンの陰に身体を隠して、様子を伺う茉葵。


視線が合うと咄嗟に、頭を隠す。


「おい、あれが犬?」


優人に耳打ちする。


「だから、言っただろ。

茉葵、出てきていいよ」