音は駅のすぐそばにある公園から聞こえてきた。 そこには、ストリートダンサーやマジシャンなどのパフォーマーがたくさんいた。 クリスマスだからであるか、カップルが観客としてパフォーマンス見ているのが多く、なかなかの盛り上がりである。 ふいに、混ざり合う音の中、一つ歌声が聞こえてきた。 その声は、俺の頭に一瞬にして響き渡った。 まっすぐで、それでいて、なぜか心がキュッと締め付けらせるような、そんな歌声。 その発信源がどこかはすぐに分かった。 公園の一角、一つのベンチに群がる人垣があった。