これは何かの縁なのだろうか。 だとしたら、俺はこのチャンスをしっかり掴まなくてはならない。 なんて、言い訳を頭の中で並べ、一歩前に踏み出した。 いつもはこんなの余裕なのに、今の俺は胸がバクバクだ。 たださ、今日はクリスマスなんだからいいんだよ。 俺はサンタクロースだ。 「メリークリスマス」 寒さで手に息を吐く彼女の前に、コーヒーを突き出した。