玲奈は彼に話しかけたりはしない。 返事が返ってこないと知っているから。 ただ、同じ席に座って 玲奈がコーヒーを飲む。 それが彼と玲奈の クリスマスの過ごし方だ。 店の中には、玲奈以外の客はいない。 聞こえてくるのは、 マスターが食器を片づける音だけである。