遠い記憶。
何百回も繰り返す、懐かしくも辛い記憶。

地球から夜空を見上げるたびに暗闇の中から聞こえてくる声。

彼の優しいあの独特のトーン。
最後まで、彼は私に気付かせないように優しく話してくれた。

成層圏が隔てた私たちの距離はもう・・・成層圏の彼方へ飛んでいってしまった。

雑音混じりのスピーカーから聞こえたあの優しい声はもう二度と聞けないんだ。

あの時から私は―――




ふがいない私を憎んだ。


彼との約束はもう二度と叶わないのだから―――



でも・・・



少しでも彼を感じる場所へ行きたかった。 



まるで夢の欠けらを集める様に私は・・・彼の記憶を世界を感じようとした。 


失われた欠けらを集めたら、もしかしたら、夢は叶うのではないかお伽話の世界の様に、そんな奇跡を信じるように。