休みの日、あたしはショッピングに出かけた。


「ねぇ、キミ、一緒にいかない?」

と、怪しい男が話しかけてきた。


もちろん、怪しいのは分かってるから、

「急いでるので」

と、言った。

けど、それだけじゃ退かないみたいで、

「そんなこと気にしないでさ〜」

と、言ってきた。

「無理です。

と言うと、

「んだと」

――!

殴られる!

ボコッ

え…?



「学!」

「逃げるぞ」

「ぅん」

あたしはビックリしすぎて、何が起こっているのか、分からない。


分かるのは…


学がここにいるってことだけ。


ウソ…

なんで…?


「はぁ、はぁ……ここまで来れば安全だな。大丈夫だったか?」


「はい…。ま…学…は?」
学は全速力で走ったせいか息が荒い。

「たまたま歩いてたら、理子がいたから…。」


それだけで?

あたし…


期待しちゃうじゃん。


彼女がいる。

学には、彼女がいる。


余計、好きになっちゃうじゃん。


陸より、もっと。


もっと。

好きに。