着いた。


あたし達が向かったのは、東中。


「とりあえず、出てくる人見てみよ…」
と、樹梨。

「あっ…あの人!」
と、あたし。


「ウソ!イケメンじゃん!」


「あの!」
あたしは思い切って、話しかけた。

「朝の…」
と、マナブ。


「シャーペン、落ちてました。」


「サンキュー!これ探してたんだ。」


その人の笑顔は…引き込まれそうだった。


ドキン

胸が高鳴る。


それは…何というのか、分からないけど、何かが始まった。

そんな気がした。


「とりあえず、これメールアドレス。嫌だったら、捨ててもいいよ。名前は…前川学。東中3年。」


「捨てませんよぉ。学先輩。」

樹梨?!なんて甘い声…。てゆうか、その紙あたしにくれたんじゃないの?


あわてて、
「じゃあ迷惑だろうから帰ります。学先輩さようなら。」


「あ…別にいいけど…てゆうか、呼び方、学でいいから。」


「学ー!早く〜!」


誰?

振り返ると……

超美少女!!


「誰?彼女?」

と、樹梨。


スッゴイ睨んでる。

怖ッ!!


「2人とも、ごめんね!」

その美少女はあたし達の存在を知ってか、腕を組んでた。


彼女…だよね…。


東中の女生徒が

「ムカつくよね、前川アリス。兄妹のくせに。」


「それが、兄妹じゃなくて義理らしいよ。あたし2人があたしは本当の家族じゃないって言ってんの聞いたことある。」


義理?


「見せつけてんのね。」

樹梨ちゃん…。


「理子ちゃん。協力してくれるよね。」


「何を?」


「決まってんじゃん!学のこと。」