「理子、走るぞ」

「は?」
陸はあたしをひょいと持ち上げてお姫様抱っこをした。

何これ〜〜!!
お姫様抱っこって!

初対面ですよ?!

え?
正気??

それよりビックリなのが、あたしが一番混乱してる。
あたし…顔、真っ赤だ。

頬が熱い…。

「着いた…」
あたしは学校へ着くと、すぐに下ろしてもらった。

「あ…ありがと。」

「はは。じゃあな。」

何とか間に合った。

クラス表を見ると……

1年A組に杉本理子と書いてある。

そしてもう一つ名前を確かめてみる。

……ウソ!

ある……。

同じクラスだ…。

真田陸……。

嬉しい!

て…

う れ し い?

え…

この感情……
何だろう?

あたしは急いで教室に入った。

席は…やった!

一番後ろ窓側。

隣は…鈴野樹梨…。

席に着くといきなり隣の子がニヤニヤして話しかけてきた。

「さっきお姫様抱っこされてたでしょ」
スゴいノリがよくておとなしいあたしはついていけない。
「うん…」
とだけ応えた。
「彼氏?」
彼女は少し声を潜めて言った。

「ちっ…ちがうって」
あたしはあわてて応えた。
「ふーん。」
彼女は少し決まり悪そうだった。

「名前は?」

「杉本理子」

「理子、同じクラスだな」後ろから声がした。
まさか…
「陸!」
あたしより先に隣の子が言った。
「知り合い?」
あたしが聞いた。
「同卒なんだ」
同じ小学校か…。

ズキン

……胸が痛い。

「そう言えば、名前なんて言うの??」

「あたし?鈴野樹梨。言ってなかった?」

「樹梨ってホント、おっちょこちょいだよな。」

「え〜!おっちょこちょいじゃないよ〜」

この2人…
「お似合いだよな」

へ?

思ってること言っちゃった?


違う。


誰?


「俺」


「こっち」

後ろから声がした。


「桜井勇輝。宜しく。」


「杉本理子です。」


かっこいい。


すごいタイプ。