アナタがいたから

(何だって言うのよ!この連中は!褒めてみたり貶してみたり……)
私が出迎えた3人の態度にイライラとしていると、玄関からもう1人、白髪の混じったオールバックの髪型に広い肩幅で、少し歳をとっているように見えるが、やっぱりカッコイイ男性が現れてチラリと4人に目配せをする。
するとどうだろう、生意気な態度をとっていた連中でさえ、スッとその場に片膝をついて深々と頭を下げているではないですか。
(……ふ~ん、ってことは、この屋敷の中では、この人が一番偉い人って事になるのかしら?)
勝手にそんな事を思ってその人を見ていると、その人はチラリと私を見て一言。
「……ふむ、チビだな」
「ぬぁっ!また!!」
「……また?またとはどう言う事だ?」
「誰だか知らないけど、会う人、会う人、初対面に対してチビチビって身体的特徴を誇張して言うのやめてくれない?!コレでも結構気にしてるんだから!」
「ふむ、それもそうだな。コレは失礼した。言い伝えで聞いていた者とはあまりに違う風貌なのでつい出てしまっただけだ。許せ」
「……許せ?何それ、あのねぇ、それって謝ってるつもりなの?」
はるか上空からそう言い放つ男に私が負けじと食い下がっていた時、ツンツンと、着ているスーツの上着の裾を引っ張られ、私はチラッと目線をそちらに向けた。
引っ張られるスーツの先には袁君がいて、目を瞑ってブンブンと首を横に振っている。
「……何?」
そう聞く私に袁君は小さな声で私に言った。
「ダメだよ、凛ちゃん。パパにそんな事言ったら……怒られちゃうよ……」
「?、パパ?」
袁君に言われてもう一度、私を馬鹿にしたオールバックを見てみれば、コホンと咳をしてフンと偉そうにその場に立っている。
たった3日間だったが、悪ガキ共の常識はずれでなっていないPTAも相手にしている私にしてみればだから何なの?って言う所。