「ちょ、ちょっと!燿君!!」
思わずベッドから立ち上がって燿君を追いかけようとした私に砂我羅さんが言う。
「放っておけばよい。母が死んでからアイツは少し我侭が過ぎる……」
「それが貴方の教育って訳?」
「我侭に甘やかせばロクなことにならん」
「そうね、貴方は正しいと思うわよ。甘い顔をしてばかりだとなめられるから」
「ふむ、教師だと言うだけはある。わかっておるではないか」
「でも、私は貴方と違って状況を見るの。放っておいて良い状況か、すぐにでも抱きしめてあげなければならない状況か……。父親ならその状況に一番に気づくべきだわ!」
言うだけ言い放ち、私は部屋を飛び出す。
見回してみたが、既に廊下に燿君の姿は見えず、キョロキョロしていると、ポンと私の頭を叩いて、後ろから豹君が現れた。
「……燿を探せば良いのか?」
「うん、できるの?」
「さっき、凛を探し出したのは誰だと思ってるんだ?」
「あ、そっか。お願いできる?」
「フフン、任せときな……ぅん、コッチだ」
「あ、ちょっと待って……」
私の手をとり、廊下を歩いて行こうとする豹君に待ってもらい、私は部屋の中の翳さんに言う。
「話の途中にごめんなさい。どうしても気になるの。待っててもらって良いかしら?」
「……かまいません。燿の事、よろしくお願いします……」
とても辛そうに頭を下げる翳さん。
翳さんや聖君が一番辛いのかもしれない……
私はコクリと頷いて、豹君に手を引かれ、その場を後にした。
豹君に連れられるまま、屋敷を出て、行き着いたのは屋敷の近くにある、もう水も出なくなっている噴水のある庭。
朽ちた噴水に、雑草が茂り、草木も萎れ、枯れかかっている。
恐らくココが手入れされている頃はとても綺麗な場所だったんだろう。
思わずベッドから立ち上がって燿君を追いかけようとした私に砂我羅さんが言う。
「放っておけばよい。母が死んでからアイツは少し我侭が過ぎる……」
「それが貴方の教育って訳?」
「我侭に甘やかせばロクなことにならん」
「そうね、貴方は正しいと思うわよ。甘い顔をしてばかりだとなめられるから」
「ふむ、教師だと言うだけはある。わかっておるではないか」
「でも、私は貴方と違って状況を見るの。放っておいて良い状況か、すぐにでも抱きしめてあげなければならない状況か……。父親ならその状況に一番に気づくべきだわ!」
言うだけ言い放ち、私は部屋を飛び出す。
見回してみたが、既に廊下に燿君の姿は見えず、キョロキョロしていると、ポンと私の頭を叩いて、後ろから豹君が現れた。
「……燿を探せば良いのか?」
「うん、できるの?」
「さっき、凛を探し出したのは誰だと思ってるんだ?」
「あ、そっか。お願いできる?」
「フフン、任せときな……ぅん、コッチだ」
「あ、ちょっと待って……」
私の手をとり、廊下を歩いて行こうとする豹君に待ってもらい、私は部屋の中の翳さんに言う。
「話の途中にごめんなさい。どうしても気になるの。待っててもらって良いかしら?」
「……かまいません。燿の事、よろしくお願いします……」
とても辛そうに頭を下げる翳さん。
翳さんや聖君が一番辛いのかもしれない……
私はコクリと頷いて、豹君に手を引かれ、その場を後にした。
豹君に連れられるまま、屋敷を出て、行き着いたのは屋敷の近くにある、もう水も出なくなっている噴水のある庭。
朽ちた噴水に、雑草が茂り、草木も萎れ、枯れかかっている。
恐らくココが手入れされている頃はとても綺麗な場所だったんだろう。
