「梟は……化け物になったんだ。そして、俺の母さんを殺した……」
燿君の言葉に私はビックリして翳さんを見る。
目を伏せて、私の視線から顔をそらした翳さんは悲しそうな表情でコクリと頷いた。
「……とても、そんな風には見えなかったけど」
「お前にそう見えなくても、梟は化け物だ!母さんを殺し、そして、ココに居る皆を殺そうとした!!」
涙をこぼして言う燿君の言葉は本当なのだろう。
でも、私にはとても優しかったし、本当にそんな化け物には見えなかった。
沈む空気の中、聖君が言う。
「梟兄貴の力はココの誰よりも強かった。だから、押さえ込むのもやっとで……燿の母親はその犠牲になったんだ」
「でも……どうしてそんな事が」
「……侘瑠火のせいだ」
「あ、さっき言ってた。凄い力を持ってるって言う……あれね?」
「そうだ。侘瑠火は梟兄貴を連れ去り、何かしらの術をかけた……人を人でなくする術。凛は兄貴が人の姿に見えたといったが、今の兄貴の姿は醜いドラゴンの姿だ……」
醜いドラゴン……
そういわれて私にはピンと来なかった。
梟さんがドラゴンに見えなかったと言う事もあるけれど、今まで、映画や漫画なんかでもドラゴンが醜いなんて存在では扱われたことは無かった様な気がしたからだ。
「梟さんの力って、ココの誰よりも強かったんでしょ?なのにどうして侘瑠火に捕まったのかしら?」
私の素朴な疑問に、扉を入ってきた低いオヤジの声が答えた。
「簡単な事だ。侘瑠火の力がそれ以上の力だと言う事……」
(イチイチ、癪に障る言い方をするわね~)
キッと睨みつける私に、一瞬たじろいだオヤジだったが、コホンと咳払いをして体勢を整える。
「紹介がまだでしたな。私はこの鬼龍王をまとめる者であり、この子達の父親でもある砂我羅(さがら)と申します」
砂我羅さんは私にそっと手を差し出し、そういうので、変な握手とおもって手を出せば、その手に軽く唇をおとした。
燿君の言葉に私はビックリして翳さんを見る。
目を伏せて、私の視線から顔をそらした翳さんは悲しそうな表情でコクリと頷いた。
「……とても、そんな風には見えなかったけど」
「お前にそう見えなくても、梟は化け物だ!母さんを殺し、そして、ココに居る皆を殺そうとした!!」
涙をこぼして言う燿君の言葉は本当なのだろう。
でも、私にはとても優しかったし、本当にそんな化け物には見えなかった。
沈む空気の中、聖君が言う。
「梟兄貴の力はココの誰よりも強かった。だから、押さえ込むのもやっとで……燿の母親はその犠牲になったんだ」
「でも……どうしてそんな事が」
「……侘瑠火のせいだ」
「あ、さっき言ってた。凄い力を持ってるって言う……あれね?」
「そうだ。侘瑠火は梟兄貴を連れ去り、何かしらの術をかけた……人を人でなくする術。凛は兄貴が人の姿に見えたといったが、今の兄貴の姿は醜いドラゴンの姿だ……」
醜いドラゴン……
そういわれて私にはピンと来なかった。
梟さんがドラゴンに見えなかったと言う事もあるけれど、今まで、映画や漫画なんかでもドラゴンが醜いなんて存在では扱われたことは無かった様な気がしたからだ。
「梟さんの力って、ココの誰よりも強かったんでしょ?なのにどうして侘瑠火に捕まったのかしら?」
私の素朴な疑問に、扉を入ってきた低いオヤジの声が答えた。
「簡単な事だ。侘瑠火の力がそれ以上の力だと言う事……」
(イチイチ、癪に障る言い方をするわね~)
キッと睨みつける私に、一瞬たじろいだオヤジだったが、コホンと咳払いをして体勢を整える。
「紹介がまだでしたな。私はこの鬼龍王をまとめる者であり、この子達の父親でもある砂我羅(さがら)と申します」
砂我羅さんは私にそっと手を差し出し、そういうので、変な握手とおもって手を出せば、その手に軽く唇をおとした。
