「泪兄貴、そうじゃなくって。凛が生まれたときに亡くなったって事は、凛は何も教えてもらっても無ければ、何も聞かされてない。つまり何も知らないって事で、そんな状態で光麗だ光麗だって決め付けれても、ただ混乱するだけだろ?」
「さすが聖兄。女の心が良く分かってらっしゃる」
「……枉、貴様、馬鹿にしてんだろ?」
「え~俺は素直にほめただけだぜ?」
そういってニヤリと笑った枉君に聖君は近寄り首根っこを押さえてじゃれ合っていたが、私はハァと溜息をついた。
聖君の言う通り、私は何も知らない。
親戚から何かを聞いた事も無い。
どちらかといえば邪魔者扱いだったし。
曾々祖母ちゃんの話だって両親から聞いた事も無いもの。
ただ、曾々祖母ちゃんの物だというネックレスだけは大事にしていたけど……。
トスンと私の横の布団が沈んで、視線をそちらに流して見れば、泪さんがニッコリ微笑んで、私の頬を撫でて言う。
「申し訳ない。我等は本当に困り果てていて、古き本に書かれた言葉の通りに召喚をしてみれば貴女が現れたのでとても嬉しくて……。貴女の気持ちも考えずに……」
泪さんの優しい声はとても心地よくって、私は首を横にふった。
「私の方こそ……ごめんなさい。折角説明してくれてたのに。でも、大体の事は梟さんから聞いたから分っているの……」
私が梟さんの名前を出した途端、暴れていた聖君と枉君は静かになり、泪さんは私の頬をなでていた手をピタリと止めて、少し厳しい表情になって私に聞く。
「……梟兄様に会ったのですか?」
「う、うん……さっき」
「さっき?じゃぁ、凛が裏庭に居たのは、やっぱり……」
聖君はそう呟くと1人、部屋を出て行ってしまい、私はあまりにも皆の様子がおかしくなることに首を捻っていた。
「さすが聖兄。女の心が良く分かってらっしゃる」
「……枉、貴様、馬鹿にしてんだろ?」
「え~俺は素直にほめただけだぜ?」
そういってニヤリと笑った枉君に聖君は近寄り首根っこを押さえてじゃれ合っていたが、私はハァと溜息をついた。
聖君の言う通り、私は何も知らない。
親戚から何かを聞いた事も無い。
どちらかといえば邪魔者扱いだったし。
曾々祖母ちゃんの話だって両親から聞いた事も無いもの。
ただ、曾々祖母ちゃんの物だというネックレスだけは大事にしていたけど……。
トスンと私の横の布団が沈んで、視線をそちらに流して見れば、泪さんがニッコリ微笑んで、私の頬を撫でて言う。
「申し訳ない。我等は本当に困り果てていて、古き本に書かれた言葉の通りに召喚をしてみれば貴女が現れたのでとても嬉しくて……。貴女の気持ちも考えずに……」
泪さんの優しい声はとても心地よくって、私は首を横にふった。
「私の方こそ……ごめんなさい。折角説明してくれてたのに。でも、大体の事は梟さんから聞いたから分っているの……」
私が梟さんの名前を出した途端、暴れていた聖君と枉君は静かになり、泪さんは私の頬をなでていた手をピタリと止めて、少し厳しい表情になって私に聞く。
「……梟兄様に会ったのですか?」
「う、うん……さっき」
「さっき?じゃぁ、凛が裏庭に居たのは、やっぱり……」
聖君はそう呟くと1人、部屋を出て行ってしまい、私はあまりにも皆の様子がおかしくなることに首を捻っていた。
