初めは一緒に来ていたもう1人の教育実習生に渡されたけど、その子はニッコリ笑って「嫌で~~す」って帰っちゃって、結局私がするはめに。
「いいよね~あぁやってさ、私も言えたら良いのにな……」
ツイツイ私は嫌だと思っているのに「ハイ」って返事しちゃって良い人ぶるクセがある。
そして、自分に無いものを羨ましがってしまうクセ。
自分でわかってはいても直らないのがクセ者。
今度は自分自身にため息をついて、顔を伏せた。
暫く顔を伏せていたが、いつも以上に遅いパソコンの立ち上がりにおかしいと思って顔を上げて画面を見る。
「……なに?コレ?」
画面は真っ黒。
確かに電源は入れたし、電源のランプは点灯しているのに、全く何も映っていない。
「ま、まさか……壊したなんてことないよね?ヤダ、弁償なんて出来ないわよ?!」
驚いてノートパソコンの画面に手を触れたとき、真っ黒な画面に文字が浮かび上がった。
≪我はアナタを欲する≫
「ちょ、ちょっと……何よコレ。新手の詐欺系??」
≪我をアナタの傍に主従させたまえ≫
「主従?!私にパソコンの主人になれって言うの?」
≪命じると……≫
「め、命じるって、何……を?え?ちょ、ちょっと!!」
私が画面に出ている言葉を読み上げた時、黒い画面がゆらりと揺れ動いて、まるで津波に襲われるように黒い気配に包まれ私は気を失った。