アナタがいたから

男連中が、恥かしそうにこの部屋を作り上げている風景がボンヤリと見えた様な気がして、20歳も過ぎてこの乙女な部屋で過ごす勇気が無いと思っていたが、流石に片付けてとは言えずに私も引きつりながらニッコリと笑顔で返した。
「ま、こういう部屋夢見てたことは見てたから、コレで良いよ……折角作ってくれたのに勿体無いしさ」
笑顔で翳さんにそう言い入口からもう一度、部屋の中を覗く。
白い椅子と机に白いソファー。
薄いピンク色のベッドは天蓋つきで、シーツや布団には綺麗なレースがついている。
まさにお姫様の寝室。
(だ~~~、私のイメージじゃないよな……自分の部屋でなんていつもスウェットだもん……とはいえ、言えないしね~)
ばれないように深呼吸をして、部屋の中に入った私は家具を手で触りながらゆっくりと周りを見回して最後にベッドに腰かけた。
硬いスプリングのついていない安い私の部屋のパイプベッドとは違い、体がゆっくり沈みこむほどにフンワリとしたベッド。
(すごぉ~い、跳ねる跳ねる……)
「クク、ホント、凛は面白いな……」
足をバタバタさせながらそのスプリングが楽しくってボワンボワンと揺らして遊んでいると、ソファーに座った聖君がにこっと微笑んで言った。
「だ、だって、こんなに跳ねるの初めてなんだもん……」
「ふぅ~ん、異世界のベッドは跳ねないのか?」
「あ~そうじゃないけど、私のはそうっていうか……どう説明すれば良いのかわかんないんだけど……う、う~ん」
腕を組んでどう説明しようか私が迷っていると、扉からゾロゾロとイケメン集団が入ってきた。