僕は

この手紙で

ミコトは

美古都と書くのだと

初めて知った



そういえば

ミコトのお母さんは

京都が大好きだって

言ってたから

それも

関係あるのかも

しれない





僕は今

医者のたまごとして

かつて入院してた

ミコトちゃんと出会った

あの病院で

インターンをしてる



このまま

頑張って

小児科医に

なるつもりだ



でも

現実の中では

あまりにも

休みが取れなかったり

患者さんを

助けられなかったり

いろんなことがあって

時々心が

折れそうになる



そんなとき

僕はいつも

机の引き出しから

ミコトちゃんの

絵を取り出して

眺めることで

元気を

取り戻すように

してる



それは

僕の五歳の時の

顔の特徴を

うまく捉えた絵



そして

その裏に書かれてる

幼いけれど

しっかりとした

文字で記された

ミコトちゃんの言葉








『コウ君



はやくえらいおいしゃさまになって



わたしと同じような女の子をたくさん助けてあげてね。





じゃあメリークリスマス!




コウ君のおよめさんより』