『ちょっと!離してよ!』

思い切り手を振り、掴まれた手を離す。

「え~良いじゃん。このまま教室まで行こうよ!」

『嫌。っていうか何よ、“付き合う予定”って!』

あり得ない…。

「そのままの意味だよ?俺、梨優の事好きだし!」

恥ずかし気も無く言うこの男。

さっきの女の子みたいにこいつの事好きな子なら喜ぶのかもしれないけど、あたしは本気とは思えない。

だいたい、この男は最初からふざけていた――。