「高校生位の女…?いつ?」
『テストの前日よ!』
まだ言わせる気?
どんだけ鈍いのよ…。
「テストの前日…?……!もしかしてファミレス!?」
こくっと頷く。
やっぱりあれは佐伯だったんだ…。
分かってたけど、違って欲しかったと思ってしまうあたし。
さっきまで認めない事にイライラしてた癖に矛盾してるよね…。
『…あたし帰る』
ベッドから出て、向日葵が持って来てくれてたらしいカバンを持って、出口に向かおうとする。
早く出ないと、今にも涙がこぼれ落ちそう…。
「待てよ!!」
『離して!!』
もうダメ…。
「何で泣いてんだよ…?」
『泣いてな…っ離してっ…!』
これ以上惨めにさせないでよ…。
手を離させようとするのにびくともしない。
『もう!離しっ……』
もう一度怒鳴ろうとした所で佐伯が口を開く。
「なぁ…梨優、何か勘違いしてね?」