「佐伯くん!?どうしたの!?」


佐伯の様子に驚いてるっぽい向日葵。

あたしは振り向いてない。


「梨優!何で先に行くんだし!?」

っていうか振り向く必要も無く、佐伯が前に来た。


『別に…。一緒に行く必要無いでしょ』

極力感情を抑えて淡々と言う。

そうしないと昨日の事を思い出してしまうから…。


「心配すんじゃんよ~…」

『メール送ったでしょ。大体心配してくれなんて頼んでない』


何でそんな悲しそうな顔すんのよ…。


気がないのに、優しくしないでよ…。


向日葵があたし達の間で困った顔してるのが分かる。

いつもと違う空気を感じ取ったのかもしれない。