『ハァハァ…やっと着いた』

やっと教室の前に付き、息を整えながら、膝に手を付き言う。

朝から階段を全力で上がるのはさすがにキツい…。

「梨優、体力無いな~」

そう、笑いながら言う佐伯をキッと睨む。

『誰のせいだと思ってんのよ!』


あんたに掴まらなければ余裕で間に合ったのに!



「おい、佐伯、里中、早く教室入れ」

後ろから聞こえた声に一瞬ドキッとする。

龍「お!中センおはよ~!」

「おはよう。お前ら仲良いのは良いけど、ホームルーム始めるから早く中入れ!」

『…仲良くありませんから』

素っ気なく、振り向きもせずにそれだけ言うと、教室に入った。