トナカイは、遠く遠く先に見えている屋根に向かって走り出しました。一晩で世界中を駆け抜ける彼の足は、それはそれは速いのです。
ベッドの横に下げた靴下に、プレゼントが入っていることに気付いたのでしょう。部屋の明かりが点き、嬉しそうな声が窓の外にまで聞こえてきました。
 「よかったですね」
「そうじゃな」
喜びの声が、ふたりにとっての元気の素なのです。
 サンタさんとトナカイの、配達の旅はまだまだ続きます。
 あなたのもとにも、ひょっとするとプレゼントが届くかもしれませんね。
 奇跡を呼ぶほどの真剣な願いなら、きっとサンタさんはかなえてくれるはず。
 なにが一番大事かって?
 それはきっと「信じること」ですよ。サンタさんを、そして自分を、ね。


 ああそうだ。
 最後に一つ。
 
 目印の靴下を、どうぞお忘れなく。



おや、どこからか鈴の音が聞こえてきませんか?
幸福の配達人は、意外に近くにいるんだと思いますよ。
きっとね。