「香織のキス…好きだな。何もかも忘れてしまいたくなるくらい夢中になってしまうよ」

唇を離す間も惜しくて触れたまま呟く。

「廉君がこんなにキス魔だとは思わなかったわ」

キスの合間に甘い吐息と共にそう呟く君が愛しくて…何度もその可憐な唇を啄み堪能する。

「誰にでもって訳じゃない。香織限定だから…。僕の想いを受け止めてくれるんだろう?」

「うん…大好き。廉君」

「僕も好きだよ。香織…もう、香織に溺れそう」

「クスッ…溺れるって?」

「香織のキスの虜になった。もう、離れられない」

「あたし以外の人とキスしちゃ嫌よ」



予鈴が鳴るのがずっと遠い世界の事のように耳に届く。



「廉君…授業始まるよ…。」

「うん、そうだね…。行こうか。」

離れがたい気持ちを無理やり押し留めて唇を無理やり引離す。



心が引き裂かれるような寂しさを覚えるのは



僕たちの気持ちが一つになったからだろうか。