「あなたをもっと好きになってもいい?ずっと好きだって言えなかった分取り戻したいんだけど。」

そう言って僕を見上げてくる輝かんばかりの君の笑顔が眩しくて

柔らかな頬に手を添えると彼女に負けないくらいの思いをこめて微笑んでみせる。

「僕も君をもっと好きになってもいいのかな?いままで想いを抑えてきた分この想いが止まらなくなりそうで怖いんだけど。」

「いいよ、止めないで…。全部受け止めるから。廉君の想いはあたしの心で全部受け止めるから。廉君はあたしの想いを受け止めてくれる?」

「モチロン。どれだけでも受け止めるよ。君が僕の想い受け止めきれるか不安だけどね。」

「あたしのほうが先に好きになったのよ?受け止めきれないはずないでしょう。こんなにも…あなたを好きなのに…。」

擦れるように切なく響く香織の声に思わず感情を抑えきれず強く抱きしめる。

高鳴る胸の鼓動も

少し早い息づかいも

いつもより高い体温も

全ては君の為だけに引き起こされる類稀(たぐいまれ)な現象で…


これを治めるのはたった一つの特効薬だけだって


僕は本能で知っている。