月日は過ぎて、もう秋。




あれから…福澤先生は解任されて、この学校からいなくなった。





「それじゃー…今日は白鳥祭の実行委員を決めるか。
男女一名ずつ。誰かやりたい奴いるか?」




白鳥祭っていうのは、文化祭のこと─────────スッ。




先生の問い掛けに、一本の綺麗な腕が一直線に上がった。




「おぉ!
浅木。やってくれるか!」


手を挙げたのは浅木さんだった。




他に女子での立候補者は居らず、すんなり浅木さんに決定した。




…のはよかった。




女子の実行委員が浅木さんだと知り、クラス中の男子が名乗りを挙げはじめた。





「先生。私、高瀬くんにやってもらいたいです。」





はぁ!!?
「はぁ!!?」




あたしの心の声とみごとに重なったのは、秀の声。



浅木さんはたくさんの立候補者を差し置いて、手を挙げてない秀を推薦した。





秀の様子をうかがうと、明らかにやりたくなさそうな顔してる…。