なんで……。






なんで……?






「どうした?座れよ。」




恐怖で満ちているあたしを不思議そうに見て、椅子に座るように促している。





「あたし…帰り……ます。」




あまりの怖さに、言葉が詰まってしまう。




「帰っていいのか?
明日も来るようになるぞ?」




え…?



「補習の担当は俺だ。
俺の報告によってお前の放課後はどうにだってなる。」




ニヤっと笑みを浮かべあたしを見る。



全身に鳥肌が立つ…。





「…やります……。」



「いい子だ。」






補習は…小テストでわからなかったところを集中的にやった。






だけならよかった…。



…あたしが間違える度に、先生は…腕や足……とにかく触ってきた…。




そのたびにあたしは堅く目を閉じて、身を震わせ我慢した。




今日だけだ…今日だけ我慢すれば終わるんだ……。




自分にそう言い聞かせて、必死にその時間をやりぬいていく。





「身体が震えているな。寒いのか?俺が暖めてやろう。」